世の中の皆さんは、遺言・相続というと、それは金持ち、資産家のすることで自分は関係がないと考え ている人がほとんどではないでしょうか?

確かに、相続税を払うほどの資産がある人は、世の中の人々の5%程度の数だといわれております。 従って相続税もかからない程度の資産しか待たない自分には、それほど大仰に考える必要がないと思っておられるのです。

また、自分は家庭でも良き父であり、遺言などしなくても自分の家内と子供たちは他家がうらやむほど仲良くしているから、自分が死んだ後で、わずかな財産を巡って彼らが争いなどするはずがないと思っているのです。

しかし、それは大きな間違いです。
身近な例として私の知人のある円満な一家で、被相続人の親父さんがなくなった後、相続を巡って、特に子供兄弟が骨肉の争いになった例が多くみられます。

ひとつには、遺言がなかったために、相続財産の配分に関して、意見調整ができないケースが多くあります。

現金や預金なら明らかに金額が明確なので、まだしも配分がしやすいのですが、特に家・屋敷など不動産がある場合や所謂、僅かながらも書画・骨董など高価なお宝がある場合は、簡単ではありません。

家・屋敷を例えにとると、売り払いお金に換えてそれを相続人で分けるなら良いのですが、長男夫婦がそこに居住しており、売ってまで他に移り住む意思がなく、居住に固執する場合には、財産の所属と配分を 一体どうするかの話し合いがはなはだ難しくなるのです。

息子さん達がいくら仲が良くても、その奥さん方の仲が悪ければ、ことは簡単には参りません。「相続」がまさに「争続」になってしまう所以です。

また、亡くなったお父さんが、お母さんと一緒になる前に、離婚暦が有り、誰も知らないものの、離婚した女性との間にひよっとして子供さんが存在する場合もあります。 後々のトラブルを避けるために、これらも念のため調べることが必要です。

さらに、貴方が相続人の一人である場合、お父さんが亡くなって一族で葬儀を済ました後、幸いにお父さんの遺言が出てきたとしましょう。 それを今後どのようにしたらよいのか、兄弟でその扱い方について戸惑う場合がおありになるでしょう。

今まで私が述べてきたことは、要は、遺産の多寡にかかわらず、被相続人が生前にきちんとした手当てをしておかないと残された人々がほとほと困ることになるということです。そして一方、相続人は、その対応をうまくしないと必要以上に難儀がふりかかってしまうということなのです。

以上は、相続に関する課題のほんの一部分です。 多くの方が捉えている「相続」への認識を今ひとつ改めて頂くことを願ってやみません。